まずは「直接執行」です。
これは債権者の申立により,国家権力(裁判所や執行官)が,直接執行するものです。
「債務者は,金○○円を支払え!」という債務名義の内容である金銭執行は,「直接執行」になります。
次に「代替執行」です。
「債務者は,△△をしろ!」という債務名義の内容だけれど債務者が任意に履行しない場合に,第三者が代替してその行為を実現することが可能であれば,債務者に費用を負担させて,第三者に債務者のなすべき行為を代わりに行わせるという方法です。
例えば,建物の収去を求める場合,裁判所が,建物収去業者(第三者)をして,債務者の建物を収去し,収去費用を債務者に請求します。
債務者が収去費用を任意に支払わない場合は,金銭執行により取り立てることができます。
3つ目は「間接強制」です。
これは,「債務者は,△△をしろ!」または「□□してはいけない!」という債務名義の内容だけれど債務者が任意に行わず,代替執行も不可能な場合に,裁判所が,債務者にその行為をするように,あるいはしないように命じ,これに違反した場合には,一定額の金銭の支払いを命じることによって,債務者に心理的な圧力を加え,債務の実現を図るものです。
最後は「意思表示の擬制」です。
法律では「意思表示をすべきことを債務者に命ずる判決その他の裁判が確定したときは,債務者はその確定または成立の時に意思表示をしたものとみなす」とされています。
例えば,債務者に対して,所有権移転登記手続を命ずる判決が確定した場合には,その判決の確定をもって,債務者の所有権移転登記手続をする意思があったものとみなされます。
そのため,判決正本と確定証明書を添付すれば,債権者が単独で所有権移転登記を申請することができます。